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M&Aにおける企業価値とは(後編)
企業価値の要素
前編のおさらいとなりますが、会社の価値の構成要素を図解したものを以下に再掲します。
図の右側部分
貸借対照表の資産は、「債権者」と「株主」それぞれの取り分に分割できました。それと同じ様に、企業価値も債権者と株主が分け合う形になります。
まずは 「債権者の取り分(債権者価値)」となりますが、これには上限があります。なぜならば、債権者価値は、銀行などが貸し付けた借金の残高以上にはならないという原則があるからです。(どんなに会社が儲かっていたとしても、借金額以上の返済の必要がないためです。)なお、「債権者が利息収入を目的として貸し付けた借金」のことを「有利子負債(Debt/デット)」と呼びます。
一方、企業価値から債権者価値を差し引いた残額が「株主価値(SV)」(Shareholder’s Valueの略)です。これは企業の全財産から借金を返済し終わった後の価値(株主が手に入れることができる価値)を意味しています。
譲受側の言う金額は何を指しているか
もし譲受企業(買い手)が、あなたの会社を「10億円で買いたい」と言って来た場合には注意が必要です。その金額が企業価値を指しているのか事業価値を指しているのか、はたまた株式価値を指しているかで、譲渡企業(売り手)が手に入れることのできる金額が変わってくるからです。例えばですが、あなたが100%株主として、以下のような企業を経営していたとしましょう。
●2億円の余剰現金(非事業用資産2億円)
●4億円の借金(有利子負債4億円)
この会社に対して、譲受希望企業が「“株式価値”を8億円として買いたい」と言ったとします。この場合は譲渡企業の株主はいくら手に入れることができるでしょうか?これは簡単ですね。譲受希望企業が言った通りの額である8億円です。
では、譲受希望企業が「“企業価値”を8億円として買いたい」と言ったとします。この場合は譲渡企業の株主はいくらになるでしょうか?この場合には4億円となってしまいます。
計算式としては以下のとおりです。
株式価値4億円=企業価値8億円-債権者価値4億円
では最後に、譲受希望企業が「“事業価値”を8億円として買いたい」と言ったとします。この場合は譲渡企業の株主はいくらになるでしょうか?この場合には6億円となります。
計算式としては以下のとおりです。
株式価値6億円
=事業価値8億円+非事業用資産2億円-債権者価値4億円
お分かりいただけましたでしょうか。何を指して金額を言っているかを確認しないまま話を進めてしまうと、上記のように手に入れる金額が大きく変わってきてしまいます。
手に入れる金額が少なくなるだけならまだしも、認識の齟齬により、最悪ブレイク(破談)となってしまう可能性もあるため、何の価値を指してその金額を言っているのかを、まずは確認することが重要です。
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